自転車修理
ロードバイクでパンクした原因とそのパンクを予防するための対策
前後とも空気が抜けているとお持ちになられたパンク修理が1件ありました。一度に両輪ともパンクするのはおかしいと思いながらもまずは水調べで点検してみることにする。
写真のとおり原因はチューブの劣化。パンクした箇所だけの修理でいいとお聞きしていたので一度は修理してみたものの、目視であまりに痛みが激しかったので半周だけざっとチェックしてみたところ、なんとその数16箇所。
無数に小さい亀裂が入っています。まだ穴は1箇所だけどそのうち順々にパンクしていくでしょう。でもどうしてこんなことになったのか?
チューブが劣化した原因
こちらのバイクは所有者の方が病気でしばらく乗っていなかったのだそうです。長期間外に放置していたそうで、同じ場所で直射日光を浴び続けた結果、タイヤの中でチューブが熱でもろくなりこのような状態になったものと推察されます。
バルブが写っているこちらの写真をみると、亀裂の位置はすべてチューブの横側だということがわかります。亀裂の入っている側が太陽光線を浴びていたのでしょう。写真からはタイヤの劣化も伺えます。
バルブが原因のパンクトラブル
ロードバイクのパンクトラブルでは、バルブが原因しているケースもけっこう見受けられます。例えば、バルブがチューブから外れてしまったエア抜けのトラブル。外れないまでも根元が切れて抜けるケースも・・。
バルブが原因している場合はパンクとは言わないだろうけれども、フレンチバルブの装着ホイールでパンクしたとお持ちになったバイクのチューブを取り出してみたら、リムにバルブだけぶら下がっているケースが何度かありました。バルブネジがだいぶ緩んでいると取り出さなくてもわかりますが、低圧で乗り続けた結果もげてしまったんでしょう。
一般車の場合はエアを入れずに乗り続ける方も多くいらっしゃいます。スポーツバイクは一般車よりも充填する量が少ないのでその分高圧にして走行性を上げているわけですが、高圧にするということは一般車よりもチューブの伸びは大きく、当然薄くなったゴムはエアの抜け方も早くなります。
スポーツとしてロードバイクに乗られる方はもちろんその辺はよくご存じだと思いますから、最低でも1週間に一度のポンピングは欠かさないと思います。1週間に最低1気圧は抜けますよね。
でも、ロードバイクに一般車感覚で乗っている方もいらっしゃるんです。走行性能を上げるためにロードバイクのタイヤは軽くて薄い。当然パンクする危険性も高まり、そこで待っているのがリム打ちパンク。で、もしパンクした状態でそのまま乗り続けると、バルブのところでチューブが折り重なることで引っ張られて、最悪バルブがもげてしまうんですね。
もう一つのバルブもげは先日修理した写真のケース、おそらくゴムの劣化です。空気をパンパンに入れた瞬間、ブシュッと抜けたそうです。痛んでいたバルブの根元が高圧に耐えきれずに切れてしまったんでしょう。
タイヤの劣化はわかりやすいけどチューブのほうも確実に劣化するので、パンクしていない状態であっても数年に一度は交換をお薦めします。室内保管でも劣化は進みます。特にレースで使用する決戦ホイールは、いつ交換したか、交換した日付を控えておいたほうがよいでしょう。店長もレース活動していた頃はタイヤも交換日とか走行距離をチェックしていてけっこう役立ちました。
なお、フレンチバルブのチューブは、コア軸のゴム部分が劣化して、ここがエア漏れの原因となることもありますからお気をつけください。
スポーツバイクは屋内保管が基本
先ほどのパンク修理のお客様にはチューブの状態を説明して、今後のバイクの取り扱い方などもお話させてもらったうえで、ご納得いただいてこのチューブは処分し新しいチューブに交換となりました。
もう一方も亀裂がひどい状態でしたが、そちらのほうは昨年うちで交換したチューブだったから、今回はまだ使える手持ちのチューブがあったのでサービスでそれに交換。これで当分の間は安心して乗れるでしょう。
しかし、保管環境によっては1年でこのようになってしまうんですね。やっぱりスポーツバイクは屋内での保管がよいようです。できれば高温になりそうなガレージとかはできるだけ避けて人間と同じ環境での保管がベストかも。