自転車修理
ヘッドセットの分解掃除
今日はめずらしくヘッドの分解掃除を立て続けに2台。1台はLOOKのロードバイクで、通常のオーバーホール。クランクセットはカンパのウルトラトルクで、ベアリングはカップの中だから圧入式よりはメンテの回数は少なくて済むけど、でもこのように根元の部分はどうしても汚れてしまいます。
このバイクはおそらく雨天の場合は乗られていないのでしょう。比較的汚れは少ないですね。でも、雨中走行多い場合はアウターレースが錆びたり、ケアが行き届いていないとインナーレースの回転にも支障が出たりするので定期的なメンテは必須です。
ヘッドもこういうふうにシールドでも意外と汚れるものです。クラウンもけっこう汚れている。でもこの程度だったらパーツクリーナーでクリーニングするだけで大丈夫、きれいになりました。
ヘッドの異音
もう1台のほうはG社のクロスバイク。わけあって本国で購入されたのだそうです。分解掃除となった原因はハンドルを回した時に発生する異音。症状からあきらかにヘッドセットが原因。フォークを回転させた時だけ「キュッキュッ」という音がします。
ヘッドからこんなにはっきり異音が聞こえるのは初めての経験。ちょっと動かしただけで「キュッ」。とりあえずトップキャップを外してコラム内を見てみる。と、なぜかアルミの切りくずが付着している。固定方法はスターナット式。打ち込むだけなら切りくずなんて出ないはずなのに、不思議だ。完成車でコラム内に切りくずを見たのもはじめての経験です。輸出車と国内販売は生産過程が違うのだろうか。
で、通常はヘッドには使わないシリコンのルブリカントをダストシールにシュシュッとひと吹き。トップカバーと分離していないタイプだったので(外すことはできる)、なんとなくその辺が怪しいと思って試したら一発で解決。よかった、まずはひと安心。
こういうクランプがあると便利
とりあえず、何事もなく作業を終えたわけですが、今回はちょっとイレギュラーなやり方での作業でした。普通ならフォークを抜いて行う作業を、今回はサイコンのコードがリア側のシフトのほうに巻かれていたのでフォークを抜くこともできず、自前のフォーク脱落クランプで固定しながら作業しました。
フォークの重みでコードを切らないように注意しての作業は1人でやるのは時間が掛かりますね。ハンドルは作業台にバンドで固定してるからそちらのほうは大丈夫だったけれども、でも、ケーブルを交換しない場合は(ハンドルから抜かない場合は)ヘッド周りの作業が一番神経使うかもしれない。
で、そこで登場するのがフォーク脱落クランプ。これはあるバンドの流用品。トップの写真を見たら一目瞭然ですね。
そう、シートポストに装着するリフレクターを固定するためのバンドです。店長は1インチ用とOS用をいくつか準備しています。先日入荷したフレームが1台組立てを待ってますが、バイクを組む時に、フォークとヘッドセットを装着したらこのクランプが必須。ヘッドセットがフォークコラムからずれないようにしておかないと作業が大変なのです。
もしご自分でフレームからバイクを組む時は、1個あると便利なのでお薦めします。そしてシートパイプとピラー径の相性の問題でサドルが下がりやすいという場合も、補助的に使えるかもしれない。