機材情報
ロードバイクにフェンダーを装着して通勤仕様にしたバイク
お仕事で通勤にロードバイクを使われている方も多いと思います。自転車なら交通渋滞に巻き込まれることもないし、交通機関の待ち時間を気にする必要もないから時間も有効に使えてよいですね。
おまけに健康対策にも効果抜群。体重が数十キロ減ったというお話もお聞きします。自転車は一石二鳥どころか三鳥にも四鳥にもなる、街乗りでも便利で手軽な乗り物です。
でも、通勤で自転車を使う時に唯一困るのが雨。今回お買い上げいただいたバイクも泥除け装備が必須でした。
ロードバイクにフェンダーを装着する時に気をつけたいこと
呼び方は、「泥除け」でも「フェンダー」でも「マッドガード」でもどれでもよいのですが、マッドガードは店長が昔ランドナーに乗っていた時によく使われていた名称なので、ここではフェンダーと呼ぶことにしましょう。
ロードバイクに取り付けることのできるフェンダーは、各メーカーから様々な種類が出ていますが、今回はオーナーの方がこれまでお乗りになられていたバイク同様、簡易的なものではなくてしっかりとフレームに固定できるタイプということで探すことになりました。
そのうえでフレームの仕様に適合したフェンダーでなければなりません。まず、エンドにダボがないので、クイックシャフトで固定できるタイプであること。そして、ロードバイクのキャリパーブレーキはほぼ100%前後とも沈頭式ナットなので、ブレーキ本体に固定する仕様がそれに対応していること(フロントだったらクラウンの前側に装着ということですね)。
しかし、この条件を満たしているフェンダーはそう多くなく、取り付けできるかどうかも実際に装着してみなければわかりません。今回の製品もブレーキの固定箇所がナット式対応だったこともあって、通常の方法では駄目でした。
ダボなしエンドのフレームにフェンダーを取り付ける時は加工が必要な場合も
エンドにダボが付いているバイクは当然フェンダーを装着することを前提に作られているので、シートスティのブリッジとフォーククラウン下のタイヤとのクリアランスはフェンダーを装着する分だけ確保されています。
でもシマノのノーマルブレーキが付いているバイクは、ブレーキのアーチサイズが51mm(旧型は49mm)なので、フレーム製作の時にあまり間隔を空けすぎるとブレーキパッドの装着位置がリムから外側にはみ出す危険性もあるし(たまに目いっぱい下げてもはみ出すバイクを見ますが、こういうバイクはブレーキシューが減って段差が付くとタイヤに摺るので早めに交換したほうがよいですね)、もともとシマノブレーキ装着のロードバイクはフェンダーのことは考慮されておらず、ほとんどがダボなしの状態です。
ということは、フレーム設計もフェンダー装着を前提には設計されていないので、フェンダーを付けようと思った時にタイヤと干渉しないよう加工が必要になってくるケースもあります。もちろん加工する時は自己責任。
ちなみにステーを止める時も、先っちょが輪っかになっているダボ止め用のステーの場合はクイックシャフトで固定できるアダプターが必要です。
フェンダー取り付けのためのプチ改造
改造というほどおこがましいものではないけれども、全部取り付け終わるまで作業が2時間ほど掛かったから、投じた作業時間から気持ち的には改造と言いたい。
今回のフェンダーは前後とも取り付け金具を削ってフェンダーをもっと上に移動できるよう加工しました。フロントは沈頭式ナットでの固定を避けるため、装着位置をクラウンの前側に移動しましたが、最初は、アールが変わるし無理だと思っていたのが意外にその加工だけでオッケーでした。
問題はリア側。リアは金具を目いっぱい上にできる位置まで削っても、通常の取り付け位置のブリッジ後ろ側だとブレーキのアームに金具が当たってしまい、このままでは装着は無理。
なので、ブレーキと干渉しないブリッジの前側に取り付けました。アルミ製とかリベットでフェンダーと金具を固定している製品の場合はこの方法は使えません。取り付け金具の端を折り曲げてブリッジにフェンダーを取り付けるモデルは位置合わせなどで何度も外さないといけないので手間が掛かるけど、今回のようなケースでは取り付ける方向を変えられるので便利です。
ただ、装着ブレーキのナットは首下が10mmの沈頭式ナット。この状態ではブレーキシャフトにナットが届かないためフロント用の18mmに交換しました。さらにブリッジ沈頭箇所で金具が凹んでブレーキの固定に支障が出ないよう今回は厚めのワッシャーで補強して取り付けています。ベストなのは沈頭部分の径にピタッと合うワッシャーのほうがよいのですが、外径に合うのはあったけどさすがにシャフト径も適合する内径が合うのは手持ち部品にはなかったです。(2mm厚のこういうワッシャーはないのかも)
もしロードバイクにフェンダーを装着する際に参考になさる時は、この方法はブレーキ台座が両面とも平面となっているブリッジが前提で、ブリッジの形状によっては避けたほうが無難です。例えば筒状のままで沈頭の穴が設けられているフレームでは使えない方法です。カーボンフレームも形状的にすべて×。
この方法でフェンダーを装着するときに一番よいのは、ブレーキの固定方式を沈頭式からスタンダードのナット仕様に換えることですね。ナット仕様ブレーキに付属される部品を使えば、キャリパーブレーキ仕様のフレームだったらすべてのバイクで対応できます。
ちなみにシマノの在庫を調べてみたところ、3年前にフェンダー仕様のオーダーバイクで使っていたBR-R650も現在は沈頭式になっているので、シマノ製ではナット仕様は用意できないかもしれないですね。