バイクメンテナンス
バイクトラブルを未然に防ぐ洗車掃除のメリット
バイクをどれだけ気持ちよく快適に使えるか、バイクを長持ちさせたいならメンテナンスが大事。中でも洗車でバイクをきれいにしておくことが、店長の経験からもバイクを長く使う秘訣だと思います。定期的な洗車はいろいろなメリットもありますね。
8月までは週2~3回のペースで行っていた洗車も9月に入ってからはずいぶん少なくなってきました。それでも洗車のある日は開店前のひと仕事で気合いが入ります。朝から充実のひととき。
洗車業務はメンテナンスでお受けする場合は1台ごとにしますが、買取りのバイクを店頭に並べる前に洗う洗車は2台集まったら行っています。なので、今は週一くらいのペース。
店長、マイカーの洗車は億劫で年に数回しか洗いません。車は汚れていてもあまり気になりません。でも、自転車の洗車は大好きで、マイバイクも汚れてきたら必ず洗います。特に中古で販売するバイクをきれいにするのは店頭に陳列するためにも必要ですが、洗ったあとは何か達成感を感じるというか、肩の荷が下りた感じ。汚れたままのバイクはとても気になる。
洗車後にチェーンのねじれを発見
きれいになったバイクを見るのは気持ちがよいものです。そして、バイクを洗うと乗車中にトラブルになりそうな原因を発見しやすいメリットもあるんです。
例えば、今回見つかったチェーンのねじれは汚れていたらわかりづらかったと思います。インナーリンクが歪んでいますね。おそらくシフトの調整不備でチェーンをアウター側に落とした時にクランクに絡んでねじれたのでしょうが、そのまま使い続けると変速不良の原因にもなるし、何度もチェーン落ちしてしまうトラブルに見舞われるかもしれません。もちろんギアにもよくありません。チェーンが切れやすくなるのは言わずもがなで、よくないことだらけ。
もしも、同様のケースに遭った場合、3,000km以内だったらこの状態では4リンク分(2駒)繋ぎ換えればOKですが、それ以上走っていたらチェーンは5,000kmが交換の目安となりますので新しいチェーンに交換したほうが安心ですね。
ちなみに、チェーンのリンク数の呼び方は、アウターリンク+インナーリンクの1セットで2リンクを1駒と言います(この2リンクを2駒と呼ぶのは間違いです)。アウターリンクはプレートが外に出ているほう、インナーリンクは内側のほうです。
チェーンを詰める時とかの呼び方は、リンク数のほうがわかりやすいと思います。シマノのマニュアルでも、リアディレイラーをセッティングする時とか、チェーンの長さを調整するときは、駒という表現は使わずリンクでの表記です。もちろん商品のパッケージに表記しているチェーンの長さも同じです。
保管中の中古バイクに起こっていた思いがけない出来事
洗車後の中古バイクはさらに磨いて整備点検を終えたら店内に陳列します。中古車は新車よりも動きが早いですが、それでも価格帯によっては時間が掛かるバイクもあるため販売数よりも買取数が増えてくると、そのバイクは陳列スペースの関係から倉庫のほうに移動します。該当するバイクも引き続きショッピングページに掲載してますが、例えば今回お買い上げいただいたこちらのバイクもそのうちの一台。
で、先週ご注文頂いたこのバイクを倉庫に取りに行った時のこと。ただ置いていただけなのに、あれっ、なぜかタイヤの空気が抜けている。倉庫といっても建物の室内で、ここに移動してから1ヶ月も経っていないバイク。おかしいと思いつつコンプレッサーで入れてみてもまったく注入される気配がありません。
チューブを取り出しバーストしていたことに気付いて、なぜバーストしたのか、まず破裂した箇所を確認。すぐに原因がわかりました。
リムテープの材質によって起こるパンクやバースト
そう、写真のとおり、リムテープからスポークホールがはみ出ていて、チューブがそこに食い込んで破裂したんですね。このホイールに装着されていたリムテープは15mm。15Cのホイールでもこの形状のリムだと18mm必要です。このホイールも幅がちょっと足りなかった。
ほかにもリムテープの材質によってもバーストを引き起こすことがあって、特に中国メーカーの廉価バイクは注意が必要です。
最初見たときビックリしました。高圧のロードバイクに一般車と同じゴム製のリムテープを使っているモデルがあるんです。もちろん廉価車なのでリムにはスポークホールが空いています。コスト削減とはいえ、信じられないけど、該当しそうなバイクは一度確認したほうがよいかもしれません。破裂する前に。
プラスチック製もちょっと注意が必要。リムテープのメンテナンスなんて通常考えもしないでしょうが、プラスチック製は定期的に交換したほうがよいですね。使い続けるうちにスポークホールの箇所がだんだん凹んできて、そのまま使い続けると丸く凹んだ角に亀裂が入ったりします。そうなると、その亀裂がパンクを引き起こしてしまうことも、まれにあります。ご注意ください。
それと、プラスチックのリムテープを装着する時は、リム内に収める最後のほうはだいぶきつくなりますよね。この時に端を折ってキズ付けたりしないよう、こちらもお気をつけください。折った跡が残ってしまうと、これもまれにパンクの原因に。
装着は指付き手袋を使ってテープを最後までしっかり保持しながらリム内に収めていけば傷つける心配もないと思います。
そういえば、先ほどの通販バイク。タイヤを外す際に何か刺さっていないか一応トレッド面を点検したんですが、こちらの記事で書いたのと同じような異物がタイヤに刺さってました。そちらの金属片よりももっと小さかったけどそのまま刺さりっぱなしだったらいずれどこかでパンクしていたでしょう。これも洗車でタイヤがきれいになっていたから発見できたと思います。洗車さまさま。