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マイペースでゆったりとした走りを楽しむロードバイク
ロードバイクの楽しみ方は十人十色、人それぞれですね。競争が好きな人、競争には関心がない人、人には負けたくないけどもう頑張れない人、店長もです。
めっきり体力が落ちてきたここ数年は、以前のようにバリバリとレース活動していた頃のようには走れなくなって、走りに対する意識も変わってきました。マイペースで、頑張る時は自分の中だけで頑張ればいいんじゃないかと。
今回ご注文いただいた、FUJIのバレットΩのお客様もおっしゃっていました。そろそろレーシーなスタイルのロードバイクから、あまり肩肘張らずに走れるバイクに換える時期だとお考えになっておられて、そして、今回、真っ赤なFUJIの戦闘マシンSST3.0から、おなじFUJIのバレットΩに乗り換えることになったようです。
おっしゃることはよくわかります。年齢と、体力的にも今の私がそうだから。
年齢に応じた走り方のスタイルを考えてみる
毎日のようにトレーニングができる環境であれば、体力アップとともに、走る意識もどこか義務感のようなものが芽生えてきます。レースに参加するためにはトレーニングは日課、義務意識もないと続きません。
でも、年齢とともに徐々に体力アップの上昇率が緩やかになってくると、体力を維持しようとトレーニングする義務意識は少なからず体に負担を掛けます。
同じトレーニングをしていても、自分が思っている以上に体力が上がらなくなる、切ないけれども、そういう時期が必ずやってくるんですね。今までは、これだけやったらこれくらい速くなるという目安みたいなものが自分のなかにあったのに、それがまったく当てはまらなくなる。
その結果、もっと体力を上げたいとか、またはできるだけ体力を下げたくないという気持ちが強いと無理を重ねてしまうのです。
店長の場合は40代の後半でした。40代前半で逆流性食道炎を患ったことがあって、その時は3年間レース強度の走りはできなかったです。常に胸焼け状態で、あの頃は本当に辛かった。治ってからまた復帰はしたものの、それ以降、意識と体力のギャップを感じつつ、すでに一線級(道内の)の走りに戻れる体力は失っていました。
あの疾患がなければなと思わないこともないですが、レース活動は常に全力投球だったので、致し方のない事実です。
レース活動は自分の体と常に向き合う姿勢が大事
店長が逆流性食道炎になったのは、体が過度のストレスを受け続けたからです。もちろん肉体的なストレス。40代で30代の体力を維持しようと思ったら、それまで以上にトレーニングの強度を上げなければなりません。そして、体が許容できる限界ラインを超えると、待っているのは内蔵疾患。外的な故障や怪我よりも深刻です。
トレーニングが原因で、体を壊してしまい、レースを離れた方を何人か知っています。おそらく、走っている時は体が壊れるまで追い込んでいるという意識はなかったでしょう。ただ苦しみに耐えながら決めたメニューをこなしているだけ。心疾患とか、まさか病気になるとは、これは、誰もが経験してみなければ実感できないと思います。
走るのが仕事でなければ、レース活動はあくまで日常生活の範囲内で行うもの。体を壊して生活に支障が生じてしまえば、本末転倒、楽しいはずのロードバイクが逆に自分を苦しめる道具にさえなりかねません。
いま思えば、店長も、ショップを開いて数年後にレースを再開し、40前半の時にこれはまた戻れるなという手ごたえがあったから無理してしまったんですね。精神的には耐えられても肉体が我慢の限界を超えてしまったのでしょう。後悔は先に立たず。
40代が20代の選手とレースで一緒に走るのは並大抵のことではありません。40後半からは強度を上げると胃炎が続いていたので、55歳を最後にさすがにもう駄目だとレースを終えました。でもほんとはもうちょっと続けたかった。
チャンピオンスポーツとレクリエーションスポーツとしてのロードバイク
レース活動をしていると、強くなりたいという意識と、体を壊さずに楽しむ走りを両立させるのは、ある意味難しい面もあるのかもしれません。成績が伴ってくると、もっと速く走れるようになりたいとさらに激しいトレーニングを自分に課すようになるから。
仕事ではなくても、勝ち負けを競うチャンピオンスポーツでは、体の故障は簡単に起こります。少し休めばすぐに治る軽いものから、トレーニングを続ける限りは騙し騙し付き合っていかなければならない重い怪我まで、店長もいろいろ経験しました。
ロードバイクが好きで長く続けていくためには、年齢とともに意識も変えていかなければならないのかなと、今はそういうふうに思います。
ロードバイクは、勝敗を競うチャンピオンスポーツであり、自分のペースで楽しく走れるレクリエーションスポーツでもありますね。ここ数年はグラベルロードという新たなジャンルも開かれて、ますます楽しみの選択肢が拡がってきました。
自分の楽しみ方に応じたモデルが用意されていますから、これからロードバイクを始める方も、自分にあったバイクで、さらにロードバイクの可能性を拡げていくことができればよいですね。
昔、ランドナーで北海道を回ったのが懐かしく思い出されます。私が自転車に想いを馳せる原風景です。