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9s仕様のリアディレイラーを、8s仕様に変更しなければならなかった理由とは?

2023年11月25日

自転車修理

9s仕様のリアディレイラーを、8s仕様に変更しなければならなかった理由とは?

先回の続き。無事にリペアパーツを取り付けて、これで解決したかと喜んだのも束の間、ディレイラーは問題なく使用できるようにはなりました。しかし、不具合発生第二幕、トップギアが使えない。

ドロップアウト・セーバー装着後に生じた変速不具合

9s仕様のリアディレイラーを、8s仕様に変更しなければならなかった理由とは?

このバイクに装着されているホイールはMAVICのキシリウムエリート。作業を終えてシフト調整しようと思ったら、トップギアの位置ではチェーンがドロップアウト・セーバーに干渉してまったく動きません。予想外の出来事。

ホイールメーカーによって、ホイール装着後のエンド内側とギアとの間隔が違うのでしょうね。シフトの段数によっても違うのかもしれない。あと1mm、この間隔が広ければ・・。

嘆いても仕方がないので、今回はリアディレイラーを調整ネジでセカンドからスタートするように変更することで、このトラブルに対応することにしました。9スピード仕様を、8スピードに変更。詳細はのちほど。

アルテグラのWH-6800ホイールで試してみた

9s仕様のリアディレイラーを、8s仕様に変更しなければならなかった理由とは?

ちなみにですが、MAVICのホイールが駄目なら、シマノではどうなるか一応在庫のWH-6800で試してみました。11sのWH-6800でも、ロースペーサーを装着することで今回の9sバイクに使用できます。

結果は、チェーンは動くようにはなりましたが、まだドロップアウト・セーバーに擦ってるので異音が発生します。許容できる音ではないのでこれも×。

シマノに確認したところ、シマノホイールは廉価版を除く一定グレード以上のモデルについては、エンド内側とギアのロックナット間の距離は同じだそうです。なので、この問題はシマノホイールでも改善しないことが判明。

では、この状況を打開するために他に方法はないのかというと、イレギュラーな方法ですが、2つあります。

1つめは、左右のスペーサーを入れ替える方法。ハブシャフトの左側に1mmのスペーサーが付いているホイールを探し、その1mmスペーサーを右側に入れ替えて、エンド幅(OLD)130mmのままで、右側の間隔を今よりも1mm以上広げることができれば解決できます。移動幅1mmだったらセンタリングへの影響は心配ないでしょう。でも、店内の陳列ホイールをみても該当するホイールはなく、廉価版ならそういうホイールもあるかもしれないけれども、探すのも大変。

2つめは、OLDを広げる方法。どういうことかというと、方法はいたって簡単。数ミリのワッシャーをシャフトの右側に追加するだけです。ただ、これは多少問題があります。内径10mmのワッシャーは在庫あると思いますが、通常はホイールのエンドに掛かるシャフトの出っ張り部分は5㎜で、ワッシャーを足すとここの引っ掛かりが短くなって安全性に懸念が生じるし、ワッシャーがしっかり平面度が出ていないとホイールのセンタリングにも影響します。フレームのエンド幅が数ミリ程度広がるのは大丈夫だけどあまり行いたくない方法。

なので、前述のとおり、今回は9s仕様のリアディレイラーを8s仕様に変更することで対応しました。

9s仕様を8s仕様に変更する時の注意点

9s仕様のリアディレイラーを、8s仕様に変更しなければならなかった理由とは?

このバイクを使用する場合、現在はこの方法がベストだと判断し作業しましたが、もしも何らかの原因で同じようにトップギアが使えない場合に参考となるよう注意点を書いてみます。

この8スピードへの変更により、リア側のシフトレバーを操作する際に、レバーは8スピードのリアディレイラー(RD)と同じ8段階の操作(動作自体は7回)となりますが、シフトレバーの稼働範囲は初期位置がセカンドギアのため、ローギア側は、レバーが8段階の位置でそれ以上稼働しないようにRDのロー側調整ネジで止めます。

これでレバーは9段階までいかず8段階でストップ。もしこの調整を行わずに、レバーを9段階の位置まで動かした場合、RDがホイールに干渉しスポークが絡んで壊れるかもしれません。セルフメンテナンスの際はくれぐれもご注意ください。

今回のバイクに装着されているデュアルコントロールレバーは旧式デュラエースのST-7700。7400に始まりデュラエースのデュアルコントロールレバーでは第二世代の9sレバーとなります。

この当時のユニットは今ほど複雑ではないので、カセットのスペーサーの厚みが一緒なら、段数ごとの巻き取りもほぼ一緒だろうとの判断から今回は9sを8sの仕様に変更しましたが、現在の11sレバーも含めてすべてのモデルでこのようにできるわけではないと思われます。

断定することができないのは、試していないので憶測からです。以前、シマノに何かの問い合わせで話している時に、レバーのブラケット内で、ユニットがワイヤーを巻き取る量は、同じスピードでもモデルによっては違うこともあるのだと聞いた記憶があります。確かに、ティアグラの4700系は他の10sとは互換性がありません。

ただし、旧式コンポの場合、巻き取り量の違いが許容範囲内であれば、もしかしたら他のモデルでもこのように使えるかもしれません。以前もハンガーの曲がりでトップギアが使えず、一時的にセカンドスタートの仕様で対応したことがあったものですから、もしかすると変速トラブルの内容によってはお役に立つ情報かもしれませんが、あくまでイレギュラーな方法だということでご承知ください。

シマノコンポーネントの互換性について知っておきたいこと

9s仕様のリアディレイラーを、8s仕様に変更しなければならなかった理由とは?

今回のケースはリアディレイラーの稼働範囲だけを8sと同じ仕様に変更しているだけで、仮にこのディレイラーが故障した場合に8sのパーツで代用できるわけではありませんが、シマノはロード系の最近のコンポは、基本的にモデルが違っても本来のスピードが同じであれば互換性があります。壊れたパーツを中古部品で対応したいという時など、旧式モデルも使えたりします。逆もしかり。相当見劣りしますがデュラの7700を3400以降のSORAでも動かせます。

しかし、前述のように、最近のコンポでも中には互換性がないモデルもあって、それはティアグラの4700シリーズ。これだけはオンリーワンの独立モデル。ティアグラの旧式4600も10sですが、同じスピードのティアグラでも、この2者には互換性がありません。一応試しているので断言します。正常に変速できません。4700のパーツが壊れたので他の10sパーツで代用しようという時などご注意ください。(※ここで言っている互換性のあるなしは、一般的なロードバイクが前提です。GRXは除きます)

シマノコンポの互換性については、あらかじめ知っておくと、あとあと役に立つことも多いです。パーツを一部だけ上位モデルにアップグレードしたい時とかですね。買ってから失敗しないためにも、機材にはあまり自信がないという方は、こちらのシマノ互換情報ページで、ご自分のコンポパーツの互換性を確認しておくとよいかと思います。

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