バイクメンテナンス
STIレバーの不快なベタベタ感を解消する意外な解決方法
STIレバーを握った時に感じるべた付き感、嫌な感触ですよね。バイクをご売却いただく際にもたまにお見掛けします。このべた付きを解消させるために、これまで様々な方法でトライしてきました。今日はこの不快なベタベタ感から脱却できる方法を共有したいと思います。
ブラケットカバーの不快なべた付き感にトライ
中古バイクで困ることの一つに、ブレーキブラケットのべた付き感があります。年式の古いバイクに時々生じている現象ですが、ブラケットカバーがベタベタするこの感触は、中古バイクを扱う上でも大変気になるところ。ゴムの加水分解がおもな原因のようです。
保管場所の環境にもよるのか、4~5年くらいでも発生するケースがあるようで、この現象は必ずしも年式が古いバイクだけとも限りません。いずれにしても買取バイクでたまに生じているこのベタベタしている感触、店長はなんとしても解決させたい中古バイクならではの課題の一つでした。
長年連れ添ったバイクがこのようになってお困りの方もいらっしゃるでしょう。そんな方に朗報です。このベタベタを解消する方法を見つけました。ある意味画期的。とはいっても簡単な方法ですけど、使うのはベビーパウダー。
これまでいろいろ試してみた結果、ベビーパウダーが一番よかったです。ネットに載っていた情報で、ゴムの加水分解はアルコールで落とすのが一番効果があって簡単ということで店に置いている工業用アルコールでやってみたけれども、残念。ブレーキレバーには効果なし。
効果がないどころか、ブレーキレバーのカバーの場合は弱っているゴムが擦り減って薄くなってしまいます。これは絶対やってはいけない。
ベビーパウダーを使う前はシリコンルブリカントでべた付き対策してました。これはカバーの手を置くところに薄く塗布して擦ってあげると確かにべた付き感は弱くなるものの、グローブを着用しないで乗る方にはイマイチのように感じます。素手ではグリップの感触がちょっと劣る感じ。
でも、これ以外にいい方法は思い浮かばない。で、シリコンを使い続けて数年経ったある日のこと、自宅でふと目にしたのが娘が使っているベビーパウダーでした。
使用用途はわからないけど、べたべたするんだったらすべすべのパウダーを使えば解決するんではないかと、娘から借りてさっそく試してみた。
これをパタパタとレバーに振り掛け馴染ませていきます。すると、思ったとおり、握った感触はなかなかいい感じ。効果てき面、ベタベタ感がなくなりました。
ただし、持続性があるかどうかは使い続けてみなければわからない。効果は限定的かもしれないので、試してみる方はもしもまたべた付いてきたらその都度トライして頂ければと思います。
ゴム製の部品を使う上で注意したいこと
同じ年数を経た同じコンポを装着したバイクでも、STIレバーのベタベタ感が強いバイクもあればそれほど気にならないバイクもあります。湿度の違いなど保管場所によって違うのかもしれない。ゴムは使わないと劣化が進むと思うので、加水分解を遅らせるためにもバイクは定期的に乗ってあげたほうがよいですね。
上述した以外にも、ハンドクリームを塗ってゴムの表面に生じているべた付きを取る方法もあるようです。ブラケットカバーにも使えるかどうかは試していないのでわからないけれども、これも含めて店長がご紹介した方法でも解決しない時は、あとは新しいカバーに換えるしか方法はありません。
ブラケットカバーを交換する場合、旧モデルでもメーカーに在庫があれば取り寄せして交換できます。でも生産終了となった場合は対応不可。なかにはメーカー非推奨ながら使えそうなものもあったりして、先日買取りバイクでぼろぼろになっていたティアグラ9sのカバーを新しいものに換えようと取り寄せました。
メーカーでは推奨しないというこのカバーは装着してみないことには使えるかどうかはわからないけど一応試してみます。使える場合もメーカー推奨品ではないのでもちろん交換作業は自己責任です。
そういえば、以前、生産終了となった古いモデルのブラケットカバーを探している時に、ある投稿記事に目が留まりました。別のモデルのカバーを流用して、このカバーの出っ張った部分を加工して装着しているという記事でした。しかし、もしも、ハンドルポジションを持ち変えて咄嗟にブレーキを掛けなければならないなど緊急な場面に遭遇した場合、ゴムを切って加工したカバーは安全性に問題はないのかとても心配。
ブラケットカバーはサードパーティでもいくつか見掛けます。中華品などメーカーによっては価格対策からかゴムの厚みが純正品よりも薄い製品もあるようです。装着したあと最初はしっかり密着していても、薄いカバーは徐々にゴムが伸びてよれてくるようだから、もし使う場合はお気をつけください。
そして、サードパーティ製品は、ブラケットをグリップして手を横にずらした時に、新品でもカバーが一緒にずれてしまう場合はその製品を使うのはよく考えたほうがよいと思われます。安価な製品は魅力だけれども安全には変えられない。