攻撃すること。といっても、レース中に直接相手の選手に手を出す訳ではない。逃げる際にダッシュする時よく使う言葉。仕掛ける際にも使う。レースでの戦略のひとつ。
自らの勝利を目指して集団の中から突然アタックするとか、あるいはアシストがエースのために、ライバルチームのアシストの体力を奪う目的で囮としてアタックに出るなんていう場合もある。どうしてかというと、通常はアタックが掛かると、有力チームはそれを潰すために反応せざるを得ないから。
また、ステージレースの山岳コースなどでは、序盤で足を溜めていたエースが後半の勝負どころでスパートする際、それを援助するために、アシストがあらかじめ単独でアタックして逃げておく場合もある。その後、追い付いてきたエースの為に牽引役にまわるわけだ。しかし、そこで力を使い果たして、その後、その選手は後続の集団にも残れない場合がある。だが、これも彼らの仕事のひとつだ。
こういう称えられるべき選手の動きを知ることで、レースをもっと深く、面白く見ることができると思う。観客から展開を知ってもらうことで、アシストにまわったその選手もやりがいを感じることだろう。
ところで、アタックする時には大事なことがひとつある。アタックは、ここぞというところで全力で行かないと決まらない。捕まったあとのことを考えて、力を出し惜しみしながらアタックしていては、それはアタックとは言えない。
特に、集団の中から勝利を目指して単独で飛び出す場合は、いちかばちかでアタックするケースもあったりする。捕まったらそこで終わりだ。リザルトは期待できないかもしれない。それくらいの覚悟でいかないとアタックは成功しない。
ただし、ホビーレースでたまに見かけるけど、もちろん、集団との力量を見計らってからいかないと、それは単なるパフォーマンスで終わったりする。目立ちたい一心でアタックするのは恥ずかしいので気を付けよう。
それと、単独アタックは相当力のある選手でないとなかなか成功しないし、アタックする場合も、最後まで一人で行こうと決めてアタックするケースはプロ以外は皆無でないかと思うが、おそらくその選手は追随してくれる選手を前のほうで待つつもりでアタックしていると思う。ぜひ、その心意気を無にすることなく追いかけて合流しよう。誰かが来れば少しペースを落として待ってくれるはず。そして数人ならば俄然逃げ切れる確率が高くなる。そのほうがレースも活性化し観戦しているほうも観ていておもしろいのです。