アンチは、反対とか対抗、排斥という意味。その名が示すとおり、ドーピングを阻止しようという動きでもあり、規則でもある。「アンチドーピングコントロール」が正式名称。
各スポーツ団体はドーピング撲滅に邁進しているが、自転車競技界は他を一歩リードしているといえる。禁止薬物リストの中には、UCIに有ってIOCには無いものもあった。
しかし、自転車競技界がアンチドーピングに関して先進しているといっても、喜んでばかりもいられない。ドーピングの歴史が古く、ヨーロッパでは、真っ先に自転車レースがドーピング批判のやり玉に上げられるからだ。
ゲーム色の強いスポーツには、ドーピングコントロールの概念が薄いスポーツもある。ドーピングに厳しい米国でも、大リーグ野球では罰則が存在しない。オリンピックスポーツの中には、ドーピングが必要と思われないスポーツにも等しく適用されることを考えれば、これは少し疑問に思う。
(※こちらの記事は2002年の記事となります。MLBでは2003年にドーピング検査が導入されましたが、アンチドーピングの歴史の一つとしてお読みください)