いちばんわかりやすい場面は、あるチームの選手全員が、集団の先頭に出ている状態。集団の走行スピードのペース配分を、完全にそのチームが掌握している状態だ。この状態を「支配している」などという。
例えば、ステージレースでは、リーダージャージを着用している選手のチームは、チーム員が一丸となってその成績を守ろうとする。特に選手に負担の少ない平地部分では、全員でリーダーを囲むように走っている光景をよく目にする。アタックを防止するために、高速でスピードを維持していることも多い。
しかし、この場合、リーダーだけは先頭交代には加わらない。チーム員全員が次々と先頭を変わりながら走っていたとしても、リーダーのところまで下がって来るとうまくそこに入り、リーダーの体力を温存させておく作戦を取るわけだ。
また、すごく強い選手がリーダージャージを着用している時なども、その選手が「レースを支配している」などということもある。彼の総合成績が揺るがない時に用いることが多い。誰かがアタックしても、すぐ潰されるという共通意識が見え隠れしているからだ。近年用いることはあまり無いだろう。歴代優勝者の中には偉大な選手も何名かいて、それほどの選手だとピッタリくる。