スプリントに強い選手達を、おしなべてこう呼ぶ。ロードレースで使う場合が多いが、トラックレースのスプリント競技の選手をいう場合もある。しかし、体型はまったく違う。ロードのスプリンターは、持久力も兼ね備えているので短距離選手よりはスリムだ。
スプリンターになれるかどうかは、持って生まれた筋肉の質によって決まってくる。が、誰でもトレーニングによって、ある程度のスプリント力は手に入れることができる。で、その質でいうところの体内の筋肉は、大別すると速筋と遅筋に分けられるのだけど、スプリンターは速筋が優れている。トレーニングでこの割合を大きくは変えられないが、速筋繊維を太くして、筋肉全体のボリュームを増やすことで瞬発力を伸ばすことは可能だ。
その方法はと言うと、バーベルを使ったスクワットなど、高負荷での回数の少ない筋力トレーニングを反復トレーニングすること。あとは、自転車で短い距離のインターバルトレーニングを取り入れて、より自転車向きの筋肉に変えていくことで、スプリント力も伸びていくだろう。筋トレだけでは、自転車は速くはならない。
スプリントが強くなるのは嬉しい。平地コースではより上位に近づいていくと思う。しかし、ひとつ注意したいのは、速筋が優位な選手は、それに反比例するように登坂力が落ちる可能性もあるということ。もちろん、これはトレーニング時間に影響されることだが、時間が取れない人にとっては痛し痒しというところ。総合的なトレーニングが、本当は理想的だ。