レース中、逃げた選手を集団に連れ戻すこと。連れ戻すのはライバルチームのアシスト選手。この場合、逃げた選手の後ろにピタッと付いて一切前に出ない走りをする。そうすると、先頭交代をしてもらえない逃げ選手は、集団に戻される確率が非常に高い。一人で逃げることはとても困難だからだ。

先頭交代の協力が得られなければ、一人で走っている方がずっといい。人数が増えると先頭の整流効果が低くなるからだ。走行中、切り裂いた空気の流れは、後方では少し後押ししてくれる。カーレースのスリップストリームを思い出すとわかりやすいだろうか。自転車ではその効果はわずかだろうけど、しかし、後に付かれると、スピードを維持するには確実にマイナスだ。

もし相手選手が先頭交代に加わることがあったとしても、このとき前に出たその選手は、確実に少しづつスピードを落としていくだろうから、やっぱり逃げ続ける可能性は低い。で、結局このあと、また自分で先頭を走り続けるしかない。

また、逃げた選手を潰そうとアシスト選手を送ったチームは、後でも逃げた選手とのタイム差を計算しながら走っていて、頃合いを見計らって吸収しようとするから逃げ続けるのはますます難しくなる。