自転車用語というわけではないけれども、自転車を使った運動が効果的という関連性のある用語として、糖尿病について少し書いてみたい。
糖尿病の方は、血液中の糖分である血糖値が高い。体は、食事などで血糖値が急激に上がるとインシュリンを大量に分泌し、血糖値を下げようとする。しかし、糖尿病を患っている方はインシュリンの分泌が悪い。インシュリンは、血糖がエネルギーとして使われるのを促す働きがあるのだけれど、この分泌が悪いということは、エネルギー代謝にも悪影響を及ぼし、それは体重の増加にも直結する。食料を補給しても、栄養分がうまく循環されないためだ。
この高血糖を予防する最大の効果的手段は運動。運動をすると使った筋肉のインシュリンへの働きが良くなり、食後の血糖値の上昇も抑えられる。ちなみに、一日三食の食後のうち、どの食事のあとが一番血糖値の上昇が大きいのだろうか?
糖尿病の投薬治療をしているある方の血糖値データ(※)を、ご本人の了解を得ているのでここに上げてみよう。朝食前143mg/dl朝食後206mg/dl、昼食前171昼食後175、夕食前159夕食後167。この数値が示すとおり朝食後の上昇率が圧倒的に高い。食後の数値は2時間後の血糖値であるので昼と夕の食後は食前に比べあまり変わらないようにみえるが、そのことと比較してみても朝食後の数値は突出している。これは、睡眠中は長時間エネルギーが絶たれていることから、体は不足しているエネルギーを取り込もうと食事の間隔があいた時は吸収率が高くなるものと考えられる。
(※検査機関によって血糖値の適正とされる数値は変わってくるものの、大体は70~110mg/dlが基準値)
このことから、いつも食事の回数を少なくしてその分一回の食事の量を多く取るような食事の仕方をしていると、結果的に空腹時間が長くなりそのため朝食後と同じような状態をもたらす。これはインシュリンを分泌している膵臓にも負担を掛け続けることになり、膵炎など別な病気の原因にもつながる。このような食事の仕方を余儀なくされている方もいらっしゃるかもしれないけれど、可能な限り避けられたほうが賢明だと思う。
糖尿病は、普段の生活でも様々な弊害をもたらす病気。薬を飲み続ける治療よりも、積極的に体を動かすことで病気や将来の不安から遠ざかることができれば、それは精神的にもすごく健康なことだと思う。前向きな心が体にも変化を与えるはず。生活の中での安心感も同時に得られると思う。
まだスポーツを目的とするような自転車に乗られていない方は、ロードバイクを使った健康対策を今から始めてみてはいかがでしょうか?
ロードバイクは体に負担が少なく、体格が大きい方が膝を壊すようなランニングのように、体のどこかを壊すような心配もありません(ただ、やり過ぎは禁物です)。ロードバイクでの健康対策をぜひお薦めします。