昔で言うプロチームのことである。ただし、現在の国際的ロードレースは、オープン化に伴いプロアマの区分けがなくなっている事からもうこのようには呼ばない。今はトレードチームと呼ばれている。
このトレードチームであるが、すべてのチームはUCIに登録されている。そして登録上は、ディビジョンという分類で区分されている。現在はディビジョン1からディビジョン3まで3つあって、通常はあたまにTTを付けて「TT-1」というように表記する。「ディビジョン1に属するトレードチーム」という意味だ。
世界の主要レースで熱い走りを見せてくれるトレードチームの選手達だが、おもに注目されるのはTT-1とTT-2だ。この中でもより選手のレベルが高いのはTT-1。2001年までは22チームの登録だったが、2002年は30チームに拡大された。数年ごとにチームの登録数が変更になってるけど、そのチームに所属する全選手の持ちポイントの合計によって上位から該当チームが選出される。参加するレースはすべて招待だ。
ちなみに、より上位を狙うチームにとってはこのポイントが非常に重要だ。そこで、出来るだけ多くのポイントを持っている強い選手を獲得したいところだが、ここでまた重要になってくるのがスポンサー企業の拠出する予算である。運営予算の多いチームはビッグネームの選手を獲得しやすいが、逆に、スポンサードの小さいチームの監督などはなかなか上位にいけない歯がゆさを感じていることだろう。
そして、選手サイドから見ると、このポイント制が導入されてからは、選手のレースに対する走り方も変わってしまったとチームメイトだった元プロ選手は言っている。これはどういうことだろう?
もしや、運営規模が小さいチームの場合はエースとアシストの関係が脆弱なのではないか。選手としては、ポイントが多いほど有利な契約につながるため、契約金にも直接影響するUCIポイントをできるだけ多く獲得する走りをしたいと思っているはず。昔のようにチームのためだけというよりも、小さいチームの選手ほどポイント獲得によるサラリーアップを望む走りをするのは必然か。
現代のロードレースでは、昔と比べてエースとアシストの関係は変化していて当然だ。結局、アシスト的立場の選手は、参加するレースによって自分のポジションと成績を常に考えながら走っているものと思う。
※掲載当時の「トレードチーム」は、現在、TT1は「プロチーム」、TT2は「プロコンチネンタルチーム」、TT3は「コンチネンタルチーム」の位置づけに改変されています。(2011.12.14追記)