先頭を走っている行為を「牽いている」と言ったりする。ロードレースの時に、集団の中で隊列を組んでいるときに多く使う言葉。自ら進んで牽く場合もあるし、意に反して強制的に牽かされる場合もある。先頭に出ても牽きたくない選手もいる。レースによって先頭を走る時の選手の思惑は様々だ。レース展開をよく観察しているとおもしろい。練習でも言ったりする。
ところで、もちろん、先頭は空気抵抗や風の抵抗で後続の選手よりも体力を消耗する。で、普通は、あまり積極的には先頭を走りたくない。そこで、レースでは先頭交代を繰り返すのだけど、大きい集団の場合は、特定のチームがレースをリードしている場合を除いて、長く先頭を牽く必要はない。
そして、ここで消極的な選手は大成しない。なぜなら、常に集団の後方にポジションを取っているケースが多いから。集団が大きい場合、先頭交代を繰り返しているのは大体前方の10人から20人くらいまで。ゴールだけを考えて、集団内でただ走っているだけでは強くはなれない。積極的に先頭交代に加わると、運良く逃げ集団に乗れるかもしれない。そして、逃げ集団に加わったときの先頭交代は特に重要だ。選手はお互いをよく観察しているものだ。これは今後のレース活動に大きく関係してくる。経験を重ねることで実力は伸びる。