レース中、アタックなどの動きがあっても反応しないで見送ることをいう。例えば、誰かがアタックを掛けたとする。その選手が誰の目から見ても実力が劣る選手の場合は、この動きには誰も反応しないはず。大抵はしばらくすると集団に戻ってくる。
また、ステージレースでは、総合成績に無関係な選手が飛び出した場合も、同様に反応しないことが多い。アタックが掛かった場合は、その動きを潰す役目はリーダージャージを抱えるチームなのだけれど、リーダーの成績に影響が無ければ、余分な体力の消耗は極力避けたいためだ。
それと、リーダーのチームがレースを支配している場合は、ゴールまでの距離を計算して、逃げている選手をわざと追わないこともある。おもに平地が中心のステージで。これはなぜか?
実は、逃げてる選手を吸収した時は、別の選手にとっては絶好のアタックポイント。ひとの心理として、目的を達成した時はホッとしてしまう。吸収したあとはスピードが緩むのも当然というもの。そこが狙い目なのだ。それで、そういうパターンを避けるために、一人とか二人の場合はわざとしばらく逃がしておく。これが人数が増えると話はまた別。その時は一生懸命追いかける。
そして、逃がしてる選手との間が数十分とか開いていても、大体はゴールの数km手前で逃げ選手を吸収してしまうから不思議だ。実はこれは、バイク審判から定期的にタイム差が伝えられているからできること。徐々にスピードアップして結局計算通りに吸収してしまうのだけど、なんだか職人技に思えてしまう。すごいわざ。
しかし、まれにだけど、逃げ切られてしまうこともあったりする。また、逃げ選手も、それに掛けてチャレンジするのだ。