ツールド北海道市民レース参戦記
9月16日(土)快晴の中、芦別三段滝公園をスタートして三笠総合運動公園までの35kmで争われるB_b-4クラスにチーム員の渡辺さん、高橋さんとともに参加しました。
今回の個人的な目標・課題は3つ。(アップダウンがあるコースなので着は最初から想定外)
(1)先頭集団でゴールすること
道新杯以来、先頭集団ゴールがないので最優先課題。登りで遅れるのは明白なので、登り終了時に集団の後方に残っていられるような作戦・位置取りを心がける。
(2)チャンス(そして脚)があれば自らアタック等してレースを楽しむこと
先頭集団に残っていることが大前提ですが、リザルトよりもとにかく色々やってみて経験を積む。
(3)落車しないこと、集団落車に巻き込まれないこと
過去3度ツール市民に出場していますが、すべて落車で一度もまともに走れていないので、集団では常に前方でローテーションに加わること。下がってしまった場合も常に端に位置取りして落車のリスクを減らすことを心がける。
事前に試走ができなかったため、当日は少し早めに現地入りして車でコースの下見を行いました。以前に何度か車で通った時の印象は「アップダウンが続く」というものだったのですが、下見してみると登りは最初に6%前後があるだけで、その後はほとんどが下りでした。最も注意が必要なのは、排水用の溝が道路全幅に渡って切ってある区間。しかも一部は覆道です。
「これだけ下りがあれば、登りで千切れても追いつけそうだ」と、自称、下りが得意な私としては一安心。オーバースピードによる単独落車さえ気を付ければ、と精神的に随分と楽になりました。
一通りコースを下見したつもりでいたのですが、肝心のラスト数キロの道を間違えてしまいました。受付時間との関係で引き返して再確認することは無理であきらめたのですが、今思えばレース展開に少なからず影響しましたね。
今回は道路占有時間の関係から初めて「ゴールに集合しバスでスタートへ移動」という方式が採用されました。半ば予想はしていましたがウォーミングアップの時間が想像以上に取れず、三段滝組は10分程度しかアップができませんでした。(皆同じ条件、と言いたいところですが、サポート付きでしっかりローラー台でアップされている方も数名いました)
我々B_b-4クラスのスタート時間は、富良野スタートのB_a-1~3クラスのメイン集団が通過した後の設定。10時40分に召集された後、スタート位置で上位クラスを待っていると、来ました!
高校生のB_a-1クラスと、S-1選手がひしめくB_a-2クラスのトップ集団。我がチームのS-1選手、内山さん・本谷さんもしっかり好位置をキープしています。そして後続スタートで追いついたのでしょう、B_a-3クラスの田沼さんも同一集団で走行しているのを確認しました。
少し遅れてTEAMアティックのリーダー武藤さんが、トップ集団からこぼれた選手達を引き連れて集団を形成、豪快に先頭を引っ張っていきました。
走り去るチームメイトに声援を送った後は、いよいよ我々のスタートです。「スタート1分前!」一斉にクリートをはめる音が鳴り響きます。
「5、4、3、2、1、、バンッ!」
「うわぁ~」
えっ? 聞き覚えのある声とともに、隣にいた選手がこちらへゆっくりと倒れてきます。「こりゃまずい!」と、渾身のひと漕ぎで前に出つつ横目で確認すると、渡辺さん・高橋さんほか数名が立ちゴケに巻き込まれていました。
「大丈夫かな~」と思いつつ集団の前方に位置してレース開始。ローテーションがイマイチ上手くまわらなく、結構先頭を引かされ序盤から脚にくるなぁとか思って走っていると、渡辺さんが右外から上がってきました(立ちゴケの影響はなさそうで一安心)。二人で何度か先頭交代するものの、ローテに参加する選手は一向に増えません。
途中、路上で呆然と立ち尽くす本谷さんと、それを橋の欄干に腰掛けて見ている田沼さんを発見!
おそらく落車に巻き込まれたものと思われ、集団にも緊張が走りました。
そんなこんなでそのまま登りに突入。ここまで予想以上に脚を使ってしまいましたが、登りの終わりで集団の後ろにとどまれるよう先頭で登りに入る予定だったので一応作戦通りです。
前週、雨の中10%激坂を何度も登り、何となくコツを掴んだダンシングを試してみます。前半はとってもいい感じで、このペースなら「作戦成功」と思ったのも束の間、徐々に遅れだし結局下りに入ったときには、集団ははるか視界の彼方でした。(まだまだ登りは鍛えないと・・・)
しかし、ここからは延々と得意な下り。ハンドルポジションをブラケットから下ハンに持ち替え、追撃開始!です。
すぐ後ろにいた選手達は下る度に遠く、遥か前の先頭集団は下る度に近くなっていきます。途中、何度かオーバースピードでコーナーに進入し「ヒヤリ」とするものの、順調に差は詰まってきました。(私よりももっと下りの速い選手が一人いて追撃中に抜かれたのには脱帽しましたが^^ )
いよいよ集団の後方に追いつくと、そこには高橋さんがいたので「ただいま^^」と、ご挨拶。
これで第1の目標はほぼクリアできそうです。
さて、B_b-4クラスの先頭集団は、いつのまにか武藤リーダー率いるB_a-3クラスの集団を飲み込み、倍ほどの人数に膨れ上がっています。下りとは言え、集団に追いつくのにまた結構な脚を使ってしまったので、しばらくは最後方で脚を休ませながら、集団の様子を観察していました。
かつて私もそうでしたが、ツール市民ロードは「これにしか出ない」選手、普段集団走行を経験していない選手が沢山参加しています。不用意にブレーキを掛ける選手、急に進路を変える選手が相当数いる集団は、はっきりいって「めちゃくちゃ怖い」。 ベテラン選手が「怒声・罵声」で集団内をコントロールしていましたが、やっぱり落車も発生してしまいました(何のことはない平地の直線。一瞬の集中力の途切れが原因と思われます)。何か良い解決策はないものでしょうかね。
下りも終盤に入ると、遅れ始める選手が出てきました。下りでは重力で自然と前に出てしまう私は、徐々に集団内でのポジションを上げていきます。平地区間に入ると集団内のポジション争いがさらに活発化(前述の落車もここで発生)。私も負けじと、センターラインぎりぎりを通って集団の前方に上がっていきます。そしてコース下見で間違えた分岐を正しく曲がり一路ゴールへ。
ここからは未知のコースですが、確か以前に車で通った時の記憶では、ちょっとしたアップダウンがあったはず。残り距離も少ないので、そのうち「○km to Go」の表示も出てくるはず・・・。
このまま集団スプリントで勝負!というのも頭をよぎったのですが、初志貫徹で第2の目標を実践。そう、憧れの「アタック」です。
前方に「3km to Go」の看板が見えました。何だか不思議と「今だっ」という感じがして、登りの苦手な私が登りでアタックを決行してしまいました。それはもう必死でスプリント。潰しにくる選手はおらず、後ろで見ていた武藤さんも「決まった。もしかして勝ちパターン?!」と思ったそうです。
が、しかし、現実はそんなに甘くはありませんでした。必死で走っていると、何と!また「3km to Go」の看板があるではありませんか。
「ガーン!」
最初に3kmと思った看板は5kmの見間違いだったことにここで気付き一気に弱気モードへ、そして集団に吸収されたのでした。アタックする脚はあっても、その後逃げ続ける脚が残っていないのは、後ろの選手達にはとても滑稽に映ったかもしれませんが、個人的にはとても「レースを楽しめた」瞬間でした。
後は集団でそのままゴールを目指しましたが、ゴールスプリントする脚はすでに残っておらず、格好だけはスプリントで集団のほぼ最後尾でゴール。この瞬間、今回の3つの目標・課題は達成でき、個人的には満足のいくレースとなりました。
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レース後札幌に帰る車中で渡辺さんと話していたのですが、以前戸田さんがMLで書いていた「疲れた状態から、いかに踏めるか」を強化する必要を特に感じた今回のレースでした。そして、登りはまだまだ強化が必要ですね。アティック杯までにさらに精進しましょう。
次はモエレでのクリテリウムとなる市民大会。登り坂はないので、今度は着も狙って、さらにレースの展開も楽しみたいと思います。
最後に、今回もチームに入っていることの有り難味を目一杯享受した、楽しいレースでした。
チーム員の皆さんに感謝です。これからもよろしくお願いいたします。
author:高野